骨粗しょう症

骨粗しょう症とは

骨粗しょう症とは何らかの原因によって骨の強度(骨密度)が低下し、骨がもろくなり、骨折しやすくなる状態を骨粗しょう症と言います。骨粗しょう症は原発性骨粗鬆症と続発性骨粗鬆症がありますが、約9割が原発性骨粗鬆症です。その中でも最も多いのが閉経後骨粗鬆症で、女性ホルモン(エストロゲン)が著しく減少することにより、骨吸収が加速して骨形成が追いつかなくなり、骨折しやすくなります。
また、老人性骨粗鬆症や、日頃の生活習慣(食生活、運動不足、喫煙や多量の飲酒 等)によって発症する骨粗鬆症も原発性骨粗鬆症に含まれます。
一方、特定の病気(関節リウマチ、糖尿病、慢性腎臓病、動脈硬化など)や薬の副作用(ステロイド薬の長期服用など)が原因で骨粗鬆症になるものを続発性骨粗鬆症と言います。

骨粗しょう症の原因

骨粗しょう症の原因骨粗しょう症は圧倒的に女性に多くみられ、それは発症に閉経後のホルモンバランスの変化が関わっているからだと考えられます。
閉経にともない女性ホルモンの分泌量が急激に減少するほか、加齢、間違った方法によるダイエット、喫煙、過度な飲酒なども原因となり、骨密度が減少して骨折しやすい状態となります。

また骨粗しょう症の種類に続発性骨粗しょう症というものがあり、これは関節リウマチや慢性腎不全、糖尿病などの他の疾患、ステロイドの長期服用などにより引き起こされる骨粗しょう症のことです。

骨粗しょう症の検査

骨粗鬆症性の骨折による日常生活動作(ADL)の低下を防ぐために、骨折の予防が必要です。骨粗粗鬆症の検査は骨密度検査(DEXA)、レントゲン検査、骨代謝マーカー(血液、尿検査)などがありますが、当院では主に血液検査と腰椎と大腿骨のDEXAを行い、適切な治療を行います。
閉経後の女性、ご高齢の方、特定の病気(関節リウマチ、糖尿病、慢性腎臓病、動脈硬化など)をお持ちの方、喫煙者やアルコールを多く飲まれる方、ステロイドを長期服用されている方、大腿骨骨折の既往がある方はとくに検査をお勧めします。

骨粗しょう症の予防と治療

食事療法

食事療法骨粗しょう症を予防・治療するための食事として、カルシウムを積極的に摂ることが挙げられます。
またカルシウムだけでなく、カルシウムの吸収を助けるためのビタミンDなども必要です。
なので、カルシウムだけでなく、全体的にバランスの取れた食事を心がけるようにしましょう。

カルシウムを多く含む食品として、牛乳、小魚、緑黄色野菜、大豆などあり、ビタミンDを多く含む食品として鮭やサンマなどの魚類、キノコ類などがあります。
これらを毎日の食事に取り入れて、できるだけ骨粗しょう症を改善・予防するようにしましょう。

運動療法

運動療法適切な運動により筋力を増強することで、転倒を防いで骨折が予防できるようになります。
また運動の刺激により、体内で骨を作る骨芽細胞の働きを促進することができるようになります。
ただし、無理に運動するとかえって体を悪くしてしまう恐れがありますので、まずは無理のない範囲で継続できる運動から始めるようにしましょう。
お体に過度な負担をかけにくい運動として、ウォーキング、ジョギング、水泳などがおすすめです。

薬物療法

骨粗しょう症の治療薬として様々なものがあり、骨の吸収を抑えるもの、骨の形成を助けるもの、その両方の作用があるものなどがあります。
患者様の年齢や骨の状態、現れている症状などに応じて適切なお薬(テリパラチド、ビスフォスフォネート製剤、サーム、デノスマブ、ロモソズマブ)を選択して治療します。

骨粗しょう症による
「いつの間にか骨折」

“いつの間にか骨折”とは、骨粗しょう症により転倒などの覚えがなく、いつの間にか背骨が骨折してしまっている状態を言います。
骨粗しょう症は自覚症状がないまま進行し、気づいた時には骨密度が低下していて骨折しやすい状態になっているのですが、ご自身の体重に背骨が耐えられず骨が潰れてしまうことがあります。
「背中が曲がっている」「昔より身長が縮んだ(2cm以上縮んだ)」という場合、この“いつの間にか骨折”が起こっている可能性があります。

“いつの間にか骨折”が起こると、他の部分の骨に負担がかかり、ドミノ倒しのように骨折を引き起こす“骨折の連鎖”が生じます。
それが原因で寝たきりとなる場合もありますので、きちんと検査を受けて骨粗しょう症を早期発見し、治療を始めることが重要です。