脊柱管狭窄症(腰部脊柱管狭窄症)

脊柱管狭窄症とは

脊柱管狭窄症とはわかりやすく背骨は33個の椎骨が連携してできています。神経が通るトンネルのことを“脊柱管”と言い、加齢などが原因で椎間板や腰椎が変形し脊柱管が狭窄すると、神経が圧迫されて腰が痛んだり、下肢で痛みや痺れなどが起こるようになります。
これを脊柱管狭窄症と言います。

脊柱管狭窄症の症状

脊柱管狭窄症の症状

  • お尻から足にかけて痛む・しびれる
    背筋を伸ばしたり、歩いたりすると、脊柱管が狭まった神経が圧迫されてお尻から足にかけて痛みや痺れが生じます。
  • 立ち上がった時や、歩く時に腰が痛む
    脊柱管狭窄症では腰痛はそこまで強く現れませんが、立ち上がった時や歩く時などに腰が痛む場合があります。ただし、安静時にはほとんど痛みはありません。
  • 起立時や歩行時に痛み・痺れが強くなる
    起立時に背骨を伸ばすと脊柱管が狭まり神経が圧迫されるため、痛みや痺れが強くなる一方、座ったり、しゃがんだりすると痛み・痺れが緩和されます。
  • 歩くと痛みが現れるが、少し休憩するとまた歩けるようになる(間欠跛行:かんけつはこう)

歩行時に痛みが強くなり、200300m歩いただけでも症状が出るので、長い距離を続けて歩けなくなります。
ですが、しばらく前かがみの姿勢で休憩すると症状が治まり、再び歩けるようになります。

こうした症状を間欠跛行(かんけつはこう)と言い、早朝や冬などの寒い季節に現れやすいという特徴があります。 このような症状がある場合、脊柱管狭窄症の可能性がありますので、お早めに当院にご相談ください。

脊柱管狭窄症の原因

脊柱管狭窄症の原因脊柱管狭窄症は、加齢などにより変形した椎間板、また骨や靭帯の肥厚などにより脊柱管が狭くなり、脊髄が圧迫されることで起こります。
椎間板ヘルニアと比べて50代以降の中高年の方に多くみられ、「歩くと痛みが現れるが、少し休憩するとまた歩けるようになる」という間欠跛行(かんけつはこう)と呼ばれる症状が特徴的です。

脊柱管狭窄症を引き起こす病気

脊柱管狭窄症は加齢が影響するため、ご高齢の方に多いのですが、元々脊柱管狭窄症を引き起こしやすい病気があると発症リスクは高くなります。

腰椎椎間板ヘルニア

腰で起こる椎間板ヘルニアで、脊柱管の方向へ椎間板が飛び出すと脊柱管の狭窄を招く恐れがあります。

腰椎椎間板ヘルニアについて
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変形性腰椎症

加齢などが原因で腰骨が変形してしまう病気です。 椎間板の変性により、骨と骨の間が狭くなることで、脊柱管狭窄症のリスクが高まる場合があります。

腰椎分離症

過度な運動などにより腰椎の後方に亀裂が入るもので、分裂部が広がり、骨がずれると神経が圧迫されやすくなります。

腰椎分離症について
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腰椎すべり症

腰椎すべり症の程度が大きくなると、神経が圧迫されて痺れなどの症状を引き起こします。

腰椎すべり症について
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脊柱管狭窄症の検査、診断

脊柱管の狭窄はレントゲン検査やMRI検査などの画像検査で確認できますが、狭窄が起こっていても無症状の場合もあるため、次のような基準で診断を行います。

脊柱管狭窄症の診断基準

  • 臀部から下肢にかけての痛み・痺れ
  • 臀部から下肢にかけての痛み・痺れなどの症状が、起立・歩行動作で強くなり、前かがみになったり、座ったりすると軽減される
  • 腰が痛むだけで、臀部から下肢にかけての症状がない場合には、脊柱管狭窄症ではない可能性がある
  • 現れている症状と画像診断の結果が合致している

脊柱管狭窄症の治療方法や手術について

保存療法

まず鎮痛剤などによる薬物療法、コルセットなどを用いた装具療法、リハビリテーションなどの保存療法で症状を緩和し、経過をみます。
これらの治療で症状が改善しなかったり、悪化するような場合には、手術による治療を検討します。

手術

脊柱管狭窄症の手術として、脊柱管を圧迫している椎間板や骨・靭帯を切除する除圧術、また狭窄した脊柱管を拡大した後、固定具で固定する除圧固定術などがあります。

当院院長は提携病院で、内視鏡を使った脊柱管狭窄症の手術を行っており、手術の際の侵襲を最小限に抑えることが可能です。
お体への負担が少なくて済みますので、術後の痛みが抑えられ、早期の日常生活への復帰が期待できます。

脊柱管狭窄症の手術について
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脊柱管狭窄症の受診にあたって

脊柱管狭窄症の受診にあたって脊柱管狭窄症を予防するためには、神経を圧迫しないような姿勢をとることが大事です。
腰をまっすぐ伸ばしていると神経が圧迫されて、痛みや痺れなどの症状が強まる恐れがありますので、少し腰をかがめるようにしましょう。

脊柱管狭窄症では、現れる症状や日常生活上の支障などによって最適な治療方法は異なります。
患者様お一人おひとりの状態に合わせて、適切な治療方法をご提案いたしますので、お早めに当院へご相談ください。

脊柱管狭窄症のやってはいけないこと

脊柱管狭窄症のやってはいけないこと腰部脊柱管狭窄症の症状が強い場合、基本的には、腰を大きく反らす、背屈する方向の運動はあまりしない方が良いでしょう。
脊柱管が狭くなる方向に作用するので、より強く神経を圧迫し、症状が悪化する危険性があります。急激な痛みやしびれが起こった場合は、まずは症状を悪化させないため、あまり動かずに安静にするのも一つの方法です。
しかし安静期間が続くと、下肢の筋力や柔軟性、全身の体力が低下するので望ましいとは言えません。激しい痛みや痺れがある程度落ち着いたら、適度な運動を行ってください。基本的には腰に負担のかかる動作は避けるべきですが、特に腰を大きく反らしたり、さらに捻るような動作は神経を圧迫するため注意が必要です。

脊柱管狭窄症に対する良い運動とリハビリ

脊柱管狭窄症して方がに対する良い運動とリハビリ歩くことは下肢筋力や腰椎支持力を維持するために重要です。翌日に痛みが増強しない程度に毎日歩くのが望ましいですが、症状によっては長時間続けるのは難しいでしょう。
神経への圧迫をある程度減らすため、前傾姿勢をとる、杖やシルバーカーを利用するなどの方法があります。ただし、あまり前傾姿勢を強くし過ぎると、長期的にみると腰椎の前方(椎体や椎間板)に対して負荷がかかり、腰椎の変性が進行する危険性があります。また、腰背部の筋肉の緊張も誘発して腰痛の原因ともなり得ます。適度な前傾姿勢というのは難しいですが、こまめに休息をとりながら歩くなど、腰に負担をかけすぎないよう工夫するのが良いでしょう。
自転車であれば、腰に負担がかからず、神経への圧迫も軽くなった状態で運動できます。エアロバイクなどを利用できる環境であれば、運動の方法としてはお勧めできます。 椎間板ヘルニアと違って、脊柱管狭窄症は病変が自然に消退することは期待できないので、症状を悪化させないことに注意しながら、出来る運動を続けていくことが大事です。

よくある質問

脊柱管狭窄症はどんな病気ですか?

年齢とともに腰の骨の中を通っている神経の通り道が細くなり、慢性的に神経が圧迫されている状態です。症状としては、腰や下肢などに痺れや痛み、悪化すると下肢に力が入らない、歩行が困難になることもあります。立ったり歩いたりすると症状が悪化する一方で、しゃがんだり座っていると痛みやしびれが緩和することもこの病気の特徴です。

脊柱管狭窄症が起きる原因はなんですか?

腰の骨が加齢と共に変形してしまうことが原因です。椎間板の変性により、黄色靭帯の肥厚、椎間関節の肥大が起こり、神経が通る道(脊柱管)を圧迫されることでさまざまな症状を引き起こされます。

腰部脊柱管狭窄症の自然経過は?

一般的には、脊柱管狭窄症が自然に治ることはなく、徐々に悪化していきます。具体的には、まずは腰痛や下肢のしびれから始まり、臀部から下肢の痛み、下肢筋力の低下が出てきます。症状が軽いうちはある程度歩くことができますが、症状が重くなるにつれて歩行が困難になり、排尿・排泄障害などに影響を及ぼすこともあります。

脊柱管狭窄症で手術が必要な場合はどんなときですか?

あらゆる保存療法(薬物療法、リハビリ、神経ブロックなど)に効果がない場合、下肢の力が入らない、長く歩けない、痛みやしびれが強く日常生活に支障をきたしている、膀胱直腸障害がある場合は手術適応となります。

脊柱管狭窄症ではどのような手術を行いますか?

主には大きく①除圧術と②脊椎固定術に分かれます。①腰痛が少なく、腰椎不安定性が少ない場合は除圧術が選択されます。除圧術には、骨の一部を切除するものから広範囲に切除するもの、内視鏡を使って低侵襲に除圧するものがあります。②腰痛が強く、腰椎不安定性がある場合や椎間孔狭窄がある場合には脊椎固定術が選択されます。腰椎すべり症、腰椎分離症、腰椎変性側弯や脊柱変形などに用いられる手術法です。

脊柱管狭窄症と診断されましたが、手術を受けなければ将来歩けなくなりますか?

手術の適応については1、3、4に書きましたが、まずは保存療法を行うことが重要です。MRIで強い脊柱管狭窄があるような場合でも薬物療法やリハビリなどで症状が改善することはよくあります。徹底した保存療法で症状が改善しない場合には手術を検討したら良いと思います。